治る!最前線 知っておきたい心臓病・心筋梗塞の最新治療


治る!最前線 知っておきたい心臓病・心筋梗塞の最新治療
テレビ東京「WBS」2011年7月25日より
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/feature/post_4685/



日本人の三大死因とされる「がん」「心臓病」「脳卒中」。

最新の推計では、2010年度の心臓病の死亡者数は10年前に比べておよそ9万人も増え66万4,000人になっています。

こうした病気に私たちはどう立ち向えばいいのか、最新の治療法を紹介します。




心筋梗塞
心筋梗塞とは心臓の筋肉に酸素や栄養を送る動脈が詰まってしまう病気です。

動脈硬化等により狭くなっていた血管が完全に詰まると心臓の筋肉が壊死(えし)してしまいます。

現在、心筋梗塞・狭心症等の患者数は80万8,000人と言われています。


そんな心筋梗塞に最新医療が登場しています。日本医科大学の或る患者の治療を紹介します。

治療するのは心臓の動脈です。動脈の根元が詰まっている為、心臓の隅々まで血液が流れていきません。ほおっておけば命に関わります。







治療に使うのは『薬剤溶出ステント【再発を抑える薬が塗られた血管を内側から支える金属の筒】』です。
金属の筒を血管の詰まった部分に入れて心臓の血流を再開させます。









治療は先ず、『カテーテル』と呼ばれる細い管を太ももの付け根の血管から心臓まで通します。

血管の詰まった部分を削る為に『ロータブレーター』と呼ばれる先端にダイアモンドがついたやすりを『カテーテル』の中を通して血管が詰まった部分まで運びます。





これで詰まった部分を削り、次に『ノボリ』と呼ばれる2011年5月に登場したばかりの最新の『薬剤溶出ステント【再発を抑える薬が塗られた血管を内側から支える金属の筒】』を『カテーテル』の中に通します。

そしてこの『ステント』を広げる事で血管を内側から広げて詰まらないように支えます。








更に『ステント』にコーティングされたポリマーから再発を抑える薬が染み出す仕組みです。

これまでのステントは薬を染みこませたポリマーが血栓を作り、それによって再発
を起す問題がありました。

新しいステントはポリマーが薬を出し終えた後、約9ヶ月で分解され再発を防ぐと言われます。





ステントを巡る開発は加速しています。

ヨーロッパで登場した生体吸収性ステントは金属ではなく、ポリ乳酸という素材で出来ていて、体内で2年ほどで溶けて無くなります。

ステントが溶けた後も血管は広がったままで、異物が無くなることで血栓による再発の心配が解消されるのです。





一方治療方針を確実に決められるように診断技術も進化しています。

核医学検査は心臓の血流量を調べる検査です。

血流が多いところは赤く、少ないところは青く表示されます。

しかしどの血管が悪くなっているかは示されません。


一方、CT検査は心臓の血管の狭くなった部分を調べます。

しかし、血流の状態は分かりませんでした。


これまでは核医学検査とCT検査を別々に判断していましたが2009年に導入された画像融合ソフトを使って、血流の状態と血管の状態が一目で分かるようになりました。





ステントの場合、1回の治療で入れられるのは2本までで、的確な診断で適切な治療が行えます。



心筋梗塞の再生治療
更に大阪大学病院(大阪府吹田市)では世界初の治療も始まっています。

Aさん(68)は2度の心筋梗塞で心臓の筋肉の多くが壊死(えし)してしまい心臓移植しかないほど深刻な状態でした。

そこで出会ったのが昨年(2010年)始まった心筋梗塞の再生治療です。

液体の中には本人の足の筋肉から取り出した細胞が入っています。

それを培養して細胞シートと呼ばれるシート状のものにします。








そして細胞シートを壊死した心臓の筋肉に張り付けていきます。





これまでの血管の治療では出来なかった、

機能していない心臓の筋肉の働きを回復させる治療法です。

心筋梗塞ではまだ4例という新しい治療法です。


『放置すると心臓の悪化が進み移植しかないような患者にとって再生治療は少なくとも悪化の進行を止める事が出来ます』大阪大学心臓血管外科・澤芳樹教授。
 
心臓病の危険因子は次のようなものが考えられています。

    高血圧
    
高コレステロール
    中性脂肪
    
喫煙
    
高血糖