賃貸物件(アパート・マンション)の敷金は全額返ってきます

賃貸物件(住居及び商用使用)を普通に使用して生じた汚れやキズ(自然損耗)、の修繕費を負担するのは、大家かテナント、住居人か?は社会問題になっている大きな問題ですが、次のような筋道があります。

1)1998年、旧建設省は、「賃貸住宅の自然損耗は家主側の負担が原則」とするガイドラインを作成し、2004年に国土交通省が裁判事例などを追加して改訂版を公表しました。 「家主が受け取る家賃は、テナントが通常に使用して損耗する自然損耗の修繕費を含んでいる」、という当たり前の考えを確認したものです。

2)上記ガイドラインは法的な拘束力を持つものではありませんが、裁判になった場合は、「自然損耗は家主側の負担」とする判決が出されています。 例えば、2005年12月、大阪府住宅供給公社の賃貸マンションをめぐる訴訟の判決で、最高裁は、「家主側負担の原則」を確認しています。

3)しかし現実は、賃貸契約書に退去時は住居人の負担で現状復帰するの特約事項を入れて、住居人に自然損耗の負担を求める場合が多いようです。
この場合、法的に争えば、この特約条項は無効になる可能性が大きいので、家主側(実際は、家主側の不動産業者の場合が多い)と良く話し合いをしましょう。
それでももし、自然損耗の負担を求められたら、不動産業者の場合は免許を出している監督官庁(例:東京都庁、国土交通省)に相談するか、簡易裁判所の小額訴訟の手続きで比較的簡単に判決が貰えます。

NHK総合テレビ『家計診断おすすめ悠々ライフ 』2007年3月10日放送“敷金返還のトラブル”
借り主の「原状回復」とは、すべて契約のときと同じ状態に戻すということではありません。あくまで、年月や使用による劣化を差し引いた所まで回復させるということ。つまり、借り主は自分の過失や不注意による傷や汚れの修復費用だけを負担すればいいのです。
只、日常生活の中でついた小さな汚れや傷が、自然消耗によるものなのか、借り主の故意・過失によるものなのか、判断するのは難しいものです。
そうしたトラブルを防ぐため、国土交通省は「ガイドライン」を発行しています。
具体的な例でご紹介しましょう。

「大家」の負担

  • 日焼けによる畳の色落ち
  • 日常必要とされる家電製品(テレビ・冷蔵庫)を遣っていて家電製品(テレビ・冷蔵 庫)の後ろにできる壁の黒ずみ
  • クリーニングで落ちる程度のタバコのヤニで黄ばんだ壁 通常程度の画びょうの跡(※程度による)
「借り主」の負担
  • タバコの火の不始末による畳の焦げ
  • 釘穴やネジ穴
  • ペットがつけた傷
  • 又、壁紙を修復する場合、借り主が全ての張り替え費用を負担する必要はありません。
    例えば、壁紙のうち1面が借り主の不注意で汚れた場合、借り主は、四方全ての壁紙ではなく、1面分の費用を負担するだけで済みます。
    更に、負担する金額には、使用した年数が考慮されます。
    年数が経つほど、住宅も内装もそれだけ価値は下がり、壁紙の場合、張ってから6年を越えると、新品の10%の価値になります。
国土交通省のガイドライン
ガイドラインの概要は、以下のホームページで見ることができます。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/kaihukugaido.htm
※平成16年2月の改訂内容については以下を参照してください。
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha04/07/070210_.html