プロが教える不動産選びの注意点


(1)幹線道路から入った静かな住宅街の筈が!
幹線道路から少し入った道幅の広い道路は往々にして幹線道路の抜け道として使われ、車の通行量が多くなりますので要注意です。
更に、直線の長い道路は暴走族の深夜のサーキット代わりになり、騒音に悩まされることになります。
このような情報は取り扱う不動産業者も気がついていない場合があります。又、気がついていても物件を売りたい為に客には知らせない事もあります。購入する時は何度も現地に足を運び、注意深く環境を観察する必要があります。

(2)公園の傍はプラスかマイナスか?
⇒公園の傍はグリーンに恵まれ、広い空間が好ましい眺めを提供するメリットがあります。しかし、深夜まで人がたむろして話し声が煩(うるさ)かったり、夏は花火遊びをしたり、朝早くから人がスポーツや遊びに集まったりするので、深夜まで仕事をして朝はゆっくり静かに休みたい事がある人等は要注意です。
概して公園の傍は“要注意”で、どのような公園なのか、良く観察する必要があります。

(3)日当たりの良い筈が、南側にマンション計画!
南側が駐車場や、古い住宅地、企業などの社宅・寮・工場・社屋、等の場合、売却或いは区画整理などでマンションが建つ可能性があります。このような土地或いはそこに建つ建物・マンションは避けるのが賢明です。法的な要件を満たしておれば(法・条例に抵触しなければ)、高層建築を阻止するのは難しいのが現状です。

(4)自慢の車が簡単に盗まれる無配慮な車庫
自宅の駐車場に止めた高価な車は窃盗の絶好なターゲットです。
深夜にドアをこじあけられ、エンジンを始動されても、家人が目を覚ますことがまず無いことは、実験でも確かめれています。概して家の設計者は、車に対して必要な配慮をしていません。盗難を防ぐにはちゃんと鍵のかかるシャッターを備えた車庫に入れる事です。家を建てる時は車庫にも十分配慮が必要です。


(5)マンション入居後、寝室の枕もとで隣家のトイレの音!
マンションの場合、両サイドの住戸の間取りもしっかりチェックする必要があります。
例えば、自分の寝室が壁を隔てて隣家のトイレになっている場合、配管によってはまるで自分の枕もとで用足しをしているように音が響き、隣家の人がトイレに行くたびに、深夜に目を覚まされる事例は実際にあったことです。壁を隔ててエレベーターがある場合、エレベーターが動くたびにその音が部屋に響くこともあります。そのような間取りのマンションはいくら気にいっても要注意です。

(6)モデルルームはミニサイズの家具で広々と・・・
⇒4人分のテーブルセットが格好良く並んだダイニングテーブルは、本当に貴方が使うサイズですか?モデルルームに置かれたソファーや椅子は見た目が良くてサイズの小さめの家具が選ばれています。見た目に惑わされずに、実際の自分の生活様式を考えてモデルルームを見る必要があります。

(7) 100%満足できる不動産はありません。不動産選びは衝動です。
どんな不動産にも必ず問題点があります。100%満足できる不動産はありません。自分の条件に合う妥協出来る物件・不動産を見つけるには、普段からモデルルーや、オープンルーム・オープンハウスを数多く見学して物件を見る目を養う必要があります。

(8)仲介の“本命”と“当て馬”―不動産屋はどうしてお客に物件を決めさせるか?
前項(7)に述べるように、どんな物件でも必ず短所があって、100%お客が満足できる物件はありませんので、慣れた不動産業者は、お客の条件に合った良さそうな物件をいきなり見せることはしません。何故ならば、物件を見慣れていない(数多く見ていない)お客は、最初に良い物件を見せても、「もっと良い物件があるのではないか」と思うからです。そこで、似たような価格帯で、しかしお客の気に入りそうもない物件をいくつか“当て馬”として案内し、お客の希望する価格帯の市場にある物件の状況を分かって貰います。お客さんが市場の状況を理解した後、その後、本命を見せ、『(今までの物件に較べて)これは良い』とお客に思わせ、契約に持っていきます。
 
(9)土地の履歴を知る。
⇒その土地がどのように使われてきたか、以前はどのような状態の土地であったかを十分考慮する必要があります。
土地の履歴はその土地の行政に問い合わせれば調べる事が出来ます。
例えば、河川・沼や海の埋め立て地は地震により液状化の恐れがある事は2011年3月11日の大震災で広く知られるようになりましたが、それ以前にも、1995年1月17日の阪神淡路大震災でも兵庫県芦屋の海岸の埋め立て地でも同様の事が起きています。
液状化ではありませんが、浦和のディズニーランドや関西空港は地盤沈下の為にその対策に毎年巨額の工事費を払っています。
ヤマト運輸は東京羽田の荏原製作所の土地を空港が近い為、配送センターとして使うべく取得しましたが、購入後、地質検査で有害物質(アスベスト)の存在が確認され、配送センターの建築が当初の予定より大幅に延期されました。土地の浄化で多額の費用が掛かる為、その費用を前所有者に求めましたが荏原製作所は瑕疵(かし)物件ではないと支払いを拒否しています。(2012年3月29日現在) もしヤマト運輸が契約前に土質調査を売主に求めておれば、問題点を発見しており、所有者(売主)に除染を求める事が出来たでしょう。勿論、このような事は個人の土地売買でも起こる事です。
埼玉県で市が分譲した土地が3.11の地震で液状化しました。これは沼地を埋め立てた土地だったのですが、購入者は行政の分譲だったのでそのような土地であったことも知らず安心して買ったのです。しかし、土地の液状化後も、市は売主としての責任を取っていません。
東京湾岸の埋め立て地に大規模マンションを建設する大手ディベロッパーは、『建設するマンションは埋め立て地の下の硬い地盤に何本も必要な杭を打ち込んで建てるので大地震でも大丈夫です』と宣伝しますが、建物は損傷を受けなくても、周りのインフラ(電気・ガス・水道・道路、等の施設)が大地震に伴う土地の液状化や或いは津波で破壊される恐れがある事を購入者は十分考慮する必要があります。東京湾岸部の埋め立て地は都心に近い割には価格が安いので一般の人は魅力に感じるようですが、ディベロッパーは価値の高い物件をみすみす安い価格で売ることはしません。安いには安いなりの理由があるのです。湾岸部のこれらの土地はディベロッパーが2011.3.11の大震災の前に取得していたものなので、換金の為、やむを得ず、いわば、売主の都合で開発して売り出すものです。
 
(10)海外不動産の注意点
⇒例えば、ハワイでマンションを購入し、自分が使わない時は、貸して収入を得る場合、管理を任される不動産業者は、実際はお客に貸していても、日本にいる所有者には、いろいろ理由をつけてお客が未だ見つかっていないと報告して賃料は管理会社がネコババすることは実際にある話です。又、お客から実際に貰う賃料と所有者に報告する賃料が異なることもあります。
日本の大手が進出した場合でも、会社の業績や情勢の変化で大手が手を引いた例は複数あります。普段頻繁に見に行けない、問題があっても直ぐ現地に行けない、管理を現地の業者や管理者の善意に頼らざるを得ない海外の不動産取得は慎重に考える必要があります。
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